たらい回しの無い福祉総合相談窓口で解決までのサポートを

近江八幡市の(仮称)福祉トータルサポートセンター基本構想

福祉総合相談窓口には一日平均10人位の人が訪れます
福祉総合相談窓口には一日平均10人位の人が訪れます
 近江八幡市では、家族や地域での自己解決能力が低下する中で、障がいのある人、子育て中の人、認知症の介護家族など個人や家族が抱える課題に一つの窓口で解決までの支援をする体制づくりや、障がいの有無に関わらず生きがいを持って働く場の確保、地域で生き生きと暮らし続けるための「共助」の福祉を推進する拠点整備などを目指して、今年2月に(仮称)福祉トータルサポートセンター基本構想を策定しました。

 この取り組みについて、私の所属している厚生委員会で視察して来ましたのでご報告します。
 
 基本構想では、計画期間を「仕組みの整備」「窓口の集約」「拠点の整備」の3段階に分け、平成22年・23年は、第1期基本計画のもとに、複合的な課題に対応できる総合相談窓口機能の整備とサービス調整の仕組みの整備を行い、これが一体となった「福祉総合相談窓口」の平成24年度からの本格稼動につなげます。
 この「福祉総合相談窓口の体制」としては、今までも包括的な相談が多かった「地域包括支援センター」(高齢者・障がい児者の相談担当)と、「子ども家庭相談室」(児童虐待の相談担当)が同じ施設内に入り、そのふたつの機能を中心として総合相談窓口が整備されています。
 そして、サービス調整窓口には調整担当が配置されて、相談から支援につなげるために福祉各課や関係機関との情報共有のルール作り、個々の支援に必要な関係機関で開く「ケース検討会」の運用手順などを検討しながら実践しています。また、今まで明確に提供できるサービスの無かった発達障がいに対しても、乳幼児期、学童期などそれぞれのライフステージでの、早期発見、早期支援のために関係各課・機関が協力して一貫した支援を行う連携体制の構築も行っています。
 こうした相談窓口での対応や、サービスを行う中で見えてきた地域の課題を集約・分析して、福祉政策に反映させるための福祉政策担当は、現在サービス調整担当が兼任していますが、将来的には独立しておかれることになります。

 お話を伺った福祉総合相談課の方が、聞くことの大切さを強調されていたのが印象的でした。相談窓口に「市民葬事業」を求めて来た高齢者の相談をじっくり聞いているうちに、この方が本当は死ぬまでの自分の生活に不安を抱えていることを感じ、今の生活を安心して楽しめるサービスを提供することにつなげたそうです。その人が必要としている本来のニーズを、世間話のようにその人に寄り添って聞くことが大事であり、心の動き、気持ちから仕事ができる職員を育てることが重要とおっしゃていました。

 行政に相談に行く人は、切羽詰っていくつもの課題を抱えていることが多いのではないでしょうか。例えば、子育てで困っている人が経済的不安や、精神的不安を抱えていたり、どこに相談すればいいのかわからないこともあると思います。そんな時にそこに行けばじっくりと困っていることに耳を傾けてくれて、まず一番に必要とする支援につなげ、時間と共に変わっていく課題にも一環して対応してもらえれば、安心感を持って自立する力を付けることができます。
 福祉行政では特に、制度や計画を作って良しとするのではなく、それをどんな人が担っていくのかが一番問われるところですね。