どんぐり苗を植える,エコツアーに参加してきました

足尾銅山に緑の再生を

この急斜面に植樹しました。右の谷底に見えるのが渡良瀬川
この急斜面に植樹しました。右の谷底に見えるのが渡良瀬川
 
環境まちづくりNPOエコメッセ企画の「足尾銅山にドングリ苗を植えるツアー」に参加してきました。エコメッセでは温暖化対策として「東京の森構想」を掲げ、都内で椎、樫、たぶなどのどんぐりの木を育てていますが、関東ならば足尾銅山の緑化も視野に入れるべきと、この日メンバーが育てた苗の植樹が実現しました。
 
 渡良瀬川が死の川となった「足尾銅山鉱毒事件」は、遠い昔に公害の例として社会の授業で習った記憶がありますが、実際現地に行ってこの目で見て、今も残るその被害の大きさを実感しました。
 足尾銅山は1550年代に採掘が始まり、明治維新後の隆盛により多量に地下水や川の水に溶け出した鉱毒の被害とともに、精錬時に出る亜硫酸ガスの煙害により周辺の広大な範囲の草木が枯れ、廃村に追い込まれたところもありました。紅葉の始まった渡良瀬川の渓谷を遡って行くと、目の前に現れる精錬所の廃屋と、緑のまばらな山々の連なりは異様でした。

 1996年から活動を行っている「足尾に緑を育てる会」の方々に環境学習センターでお話を伺い、植樹の指導をしていただきました 急な斜面を登り、無事根付いてくれることを祈りながら苗木を植えました。
 このあたりでは鹿による食害があるため苗木はフェンスで守られています。高さ30cmほどの苗木は5年間で直径8cmぐらいになりますが、その間に4人家族の3ヶ月分の電気使用量に相当する94キロのCO2を吸収してくれるそうです。

 250ヘクタールもの広大な面積に渡って緑を失った急な山々は、雨のたびに土壌が流出するので、莫大な予算をかけて国による土留め工事が今も進行中です。斜面のひときわ色濃い緑のエニシダは、以前に斜面の崩落防止と緑化のため、種をアスファルトに入れてヘリコプターでまかれたものです。しかし外来種であり不自然で繁殖力も強いことから、今では刈り取らなければならず、育てる会にとっては頭を悩ませるひとつになっているようです。早期緑化のために当時は国内で多く使われた手法だったそうですが、いわばこれも人為的な環境破壊でしょうか。

 ひとたび失われた自然環境を取り戻すことは容易ではないこと、でも地道に緑化を進める人々の力を身をもって知った一日でした。

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※調布のエコメッセは、生活者ネットワークの事務所と同じ建物の中で「てらのサウルス」というリサイクルショップを開店しており、これまでにその収益の一部を布田小学校のビオトープ等に助成しています。地域の中の気軽に立ち寄れるお店として連日にぎわっています。掘り出し物があるか、どうぞ覗いてみてくださいね。
 
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