都議補選北多摩 介護従事者と東京都をつなぐ――ワーカーズ・介護NPOらによる「介護従事者に対する新型コロナウィルス感染症対策に関する要望書」を提出

5月29日、都議会生活者ネットワーク山内れい子都議とともに、都政担当として、介護現場で奮闘している、たすけあいワーカーズや介護NPOの皆さんの訪問を受け、ともに東京都知事/都福祉保健局に宛てた要望書提出に同席しました。

今回の、「介護従事者に対する新型コロナウィルス感染症対策に関する要望書」は、それぞれの地域でたすけあいの輪をひろげ、介護保険事業や障がい者福祉サービス等を行っている団体として、新型コロナ感染予防対策等を求めるものでした。

介護従事者は、新型コロナ禍のもと私たちの日常生活を守るために働いている方々です。ご自身や家族も感染するかもしれない不安を持ちながら、日々奮闘している方々です。東京都福祉保健局との面談で提起された、業務にあたっての感染症対策の強化やPCR検査等の実施、介護従事者への特別手当の支給等要望は、各項いずれも緊急を要する重要な課題です。

介護NPO、たすけあいワーカーズの皆さんと、都議山内れい子、都政担当ドゥマンジュ恭子。都議会生活者ネットワークの控室の前で

生活者ネットワークが都政に提案してきた「NPO法人等も新型コロナ感染拡大防止協力金の支給対象に」が、先の都議会臨時会で実現にこぎつけたところですが、この日の面談を機に、地域の介護従事者の声が届くよう働きかけを強めていきます。

 

 

 

2020年5月29日

東京都知事 小池百合子 様

福祉保健局長 内藤 淳 様

 

介護従事者に対する新型コロナウィルス感染症対策に関する要望書 

 

特定非営利活動法人アビリティクラブたすけあい(NPO法人ACT)

特定非営利活動法人ACT(NPO法人ACT)・人とまちづくり

ACTたすけあいワーカーズ・コレクティブ連合

 

この度の新型コロナウィルス感染拡大防止に関わる日夜のご尽力に敬意を表します。

私たちは、東京で中間支援組織や福祉団体を設立し、地域のお互いさまのたすけあいを拡げ、生活者の視点をもって福祉全般に取組む団体の支援を行っています。これらの団体は、介護保険事業や障害福祉サービス等を行っており、今回の新型コロナウィルス感染症が拡大する中においても、高齢者や障がい者等の生活を支えるため日夜奮闘しています。

<在宅を支えるサービスの厳しい現状>

訪問を必要としている利用者は独居の高齢者や障がい者、高齢の夫婦世帯です。利用者が濃厚接触者となり自宅待機している場合や体調不良を訴えられている場合も、介護は常に必要とされ、在宅生活を保つために訪問介護は大変重要な役割を担っております。

在宅介護の現場では、新型コロナウィルスを持ち込まない、持ち出さない、広げない努力を懸命に行っていますが、防護服・マスク・消毒液などの支給は十分ではなく、体調変化を把握するための検温に必要な体温計も確保できない状況にあり、それらを用意するために奔走しています。三密は厳禁、外出を控える、人との接触を8割減と言われている中、買い物代行や身体介護など訪問介護の支援内容は利用者との接触や外部との接触を減らすことはできず、介護従事者は日に日に疲弊し危機感は増しています。

事業所内でも利用者、従業者のリスクを考え、利用者に対する人員を限定して入るなどの対策をとらざるを得ない場合もあり、介護従事者の人材不足の中で利用時間を維持することも困難な状況です。利用者が体調不良時にはサービス提供時間を短縮する場合もあり、事業運営も影響が出ています。現在、国内における PCR 検査の実施体制は全く足りていません。しかし必要なサービス提供体制を維持していくためには、無症状者も含めた新型コロナウィルス感染症のPCR 検査が不可欠であると考えます。

<追いつめられるデイサービス>

デイサービスでも感染のリスクを避けるため、利用者が減少しています。小規模デイサービスの事業所では利用者の減少は事業運営に大きく影響しますが、利用者、従事者の感染症予防のためなるべく三密にならないような室内、人員配置などを徹底しつつ事業を継続しています。利用者には認知症や障がいの疾病特性により感染予防の認識がもてず、手洗い・マスクなど必要最小限の予防の対策が出来ない場合もあり、入浴介助や配膳、食事介助など利用者への濃厚接触は必然となる現状の中で、感染予防をできる限り行っている現状です。

<介護従事者を取り巻く状況>

また、介護従事者は子どもの一斉臨時休校要請に伴う職員の休職や体調を考慮してケアを控える必要もありますが、それに対する職員の補償は各事業所に任されています。今後この状況が続けば、介護の仕事を続けることが出来ない介護従事者が増加し、事業所の存続が危ぶまれ、介護人材は益々減少し、介護難民の増加につながる事はあきらかです。介護人材の減少は住み慣れた地域で過ごされる利用者にとって死活問題となると考えています。

 

緊急事態宣言は、5月25日に全国で解除されたところではありますが、第二波、第三波の感染拡大も想定し、訪問介護の現場では長期戦になると覚悟しております。介護保険事業だけでなく障がい者居宅介護に関わる訪問介護・デイサービス事業における以下の要望について、一刻も早い実現に向けて検討していただき、介護従事者が安心して働ける環境整備をすすめて頂きますようお願い申し上げます。

 

1.介護従事者への感染予防、感染対策の周知徹底を求めます。

・介護従事者に対して感染症に対する知識を周知し、専門家による訪問時の感染予防のための研修を行ってください。
・新型コロナウィルス感染症の情報の随時更新とサービス提供時の感染予防の基準を示し、利用者・事業所へ周知してください。
・濃厚接触者や感染の疑いのある利用者を訪問する場合、市区町村の保健所が感染予防のための具体的な指示を出すとともに、利用者の状態変化を医療従事者と情報共有できる体制を求めます。
・マスク・消毒用アルコール・防護服・非接触型体温計などの必要物品を事業所に速やかにかつ優先的に配布してください。また、体調の急変が予想される場合に備えて、判断の材料となるパルスオキシメーターの配布もお願いします。
・入手困難かつ高価となった上記必要物品を購入せざるを得ない状況により、事業所にとっては予測不可能な高額な出費が続いています。補償をお願いします。

 

2.介護従事者への特別手当などの給付を求めます。

・新型コロナウィルス感染症蔓延時の介護保険報酬の創設を求めます。
・新型コロナウィルス感染症に対応した事業所の従事者に対して、特別手当の創設を求めます。

 

3.介護従事者のPCR検査を優先して行ってください。

・介護従事者が体調不良等感染の兆候が見られ、症状の有無にかかわらず医師が感染を疑った場合は、速やかにPCR検査を行ってください。
また、濃厚接触者や感染の疑いのある利用者へのサービス提供を行っている介護従事者は、日々不安を抱えながらケアを行うことになります。介護従事者については介護現場での感染症拡大を防ぐため、定期的なPCR検査を実施してください。

 

 4.介護従事者の将来的な介護報酬額アップを求めます。

・介護従事者の高齢化と人材不足はこれまでも深刻な問題として取り上げられてきました。さらに今回の新型コロナウィルス感染症拡大のため、人材を確保するどころか事業所運営の継続が厳しい現状です。緊急事態宣言の解消後も、外出を控えた結果体力が低下するなど、介護を必要とする人の増加が懸念されます。介護従事者の人材確保は最優先課題として、福祉団体だけでなく専門家、研究者など多方面から指摘されています。
介護従事者の将来的な介護報酬額アップを実現するよう強く求めます。

以上

東京都福祉保健局の担当者と面談